太陽は銀河系の中では主系列星の一つで、スペクトル型はG2V(金色)である。
ファナック、背水のロボット制御ソフト開放 AI企業参入に焦り



製造現場に眠るデータと人工知能(AI)との融合を見越したロボットの開発競争が加速する。ソフトバンクグループ(SBG)によるスイス重電大手ABBのロボット事業買収を機に安川電機やファナックが協業や制御関連ソフトの公開化などを相次ぎ表明した。機械を自律的に動かすフィジカルAIで米中に後れを取る日本勢は「ロボット大国」復権に懸ける。
「(人知を超える)人工超知能(ASI)とロボティクスの融合で画期的な進化を実現していく」(孫正義SBG会長兼社長)。SBGが2025年10月、53億7500万ドル(約8300億円)でABBのロボット事業子会社、ABBロボティクスを買収すると発表した。同社はファナックや安川、中国の美的集団傘下の独KUKAに並ぶ産業ロボット世界4強の一角を占める。

「SBGショック」
産業機器や自動搬送ロボ、人間の作業を手助けする協働ロボなど累計50万台以上を出荷する。SBGという異業種からの参入に業界は驚いた。SBGがもつAI技術との融合でフィジカルAI分野で4強から抜け出す可能性が出てきたからだ。
SBGはこれまでにスタートアップを中心に約20のロボット企業に投資してきた。18年には米グーグルから二足歩行のヒト型ロボット「アトラス」の開発で知られる米ボストン・ダイナミクスを買収。21年に韓国・現代自動車に保有株の大半を売却したものの、現在もボストン社の株式の一部を保有している。
SBGは今回のABBロボティクスの買収でロボ開発を強化し、米国でロボットや自動運転車が自律的に仕事をこなし人手不足を解消する工場群をつくる構想を描く。25年にはグループが持つ出資先を中間持ち株会社「ロボホールディングス(HD)」に集約して相乗効果を追求する「群戦略」に移行した。

出資先のスタートアップなどがもつ様々な業種のデータを収集して解析することでAIロボットの社会実装を急ぐ。
日本勢が強みを持っていた従来のロボットはあらかじめ設定した制御ソフトに沿って定型作業をする製造現場が主戦場だった。作業の誤差が小さく、精密な動きができるファナックや安川が業界をけん引してきた。
しかし、生成AIの登場で状況は一変した。自律的に作業をこなす「AIエージェント」が普及し、複数のAIを組み合わせて人間の操作なしに即座にデータを収集・分析・再学習する汎用ロボットに注目が集まった。
汎用ロボットの競争力の要は介護や物流、自動運転に必要な走行環境など様々な利用シーンから得られるデータの種類と量だ。SBGは出資する新興企業がもつデータやソフトと、ABBロボティクスのハード技術を融合させる。

データ取り込み
ロボット産業は長く日本のお家芸だった。1990年代に日本製は世界シェア8割を握っていたが、国際ロボット連盟によると、24年には約4割まで低下した。ロボットを操作するデータの多寡に競争軸がシフトするなかで米テスラや中国の宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)など米中の新興勢が台頭、存在感が薄らいでいる。
迎え撃つ国内勢はこれまでの枠組みを超えて提携や協業を広げるオープン戦略に活路を見いだそうとしている。
国内最大手のファナックは25年12月に米エヌビディアとの協業を発表した。これまで閉ざしてきた産業ロボットを制御できるソフトの公開に踏み切った。オープンソース化と呼ぶ取り組みで世界中のAI技術者などがファナックのロボット向けの開発に取り組むことができるようにした。
仮想空間でロボットをシミュレーションしデータの取得やテストをしやすくする。ファナックの山口賢治社長兼最高経営責任者(CEO)は「世界中の知恵を(ロボットに)載せられるようになる」と期待する。

ファナックは米シスコシステムズなどと提携して工場内の生産設備をつなげてデータを収集・分析する「フィールドシステム」を開発、顧客がロボットを使いやすくするようデータの「見える化」を進めてきた。再び米テックと組むことで出遅れていたAIロボットの開発で巻き返す。
安川も25年12月、SBG傘下のソフトバンクとの協業を発表した。安川の小川昌寛社長は「AIを加えることでロボットの活用範囲を広げる」として、オフィスや病院、商業施設向けに物品の管理や作業を担うシステムの開発を進める。
同社はすでに23年からAI搭載型の産業用ロボットを発売しエヌビディアと協業してきた。トンネル掘削現場の爆薬の挿入や手術用の医療器具の洗浄工程といったロボットの新たな用途を開発、外部企業と100件ほどの実証を進めてきた。
エヌビディアに加え富士通との3社でフィジカルAI実用化に向けた協業も検討している。

ソフト開発以外でもヒト型ロボット開発スタートアップの東京ロボティクス(東京・文京)を買収。得意とするモーター技術を生かして細かな作業に対応できるヒト型ロボットに最適化した駆動部品を手掛けていく。
「米国のフィジカルAI新興はビッグテックから豊富な資金を得ながら無邪気な発想でどんどんトライする」(PwCコンサルティングの瀬川友史パートナー)。外部との協業に消極的だった日本勢が柔軟な発想で機敏に動くことがロボット大国復権の第一歩となる。
(新田栄作、八木悠介)
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
- 分析・考察
フィジカルAI分野で日本は遅れを取っている。日本は現場の知見を強みとしたがるが、中国勢が短期間に、人間型ロボットを含めてフィジカルAI分野で急速に伸びたのは、現実環境ではなく仮想環境において、仮想ロボット向けに人間が教師役となって効率よく学習用データを作成し、その学習用データをAIで増やしたからである。ただし、中国勢は教師役の多くが工場などの現場の知見を持つ人々ではないとされており、その結果、家庭などの一般的知見で教師役を務められる環境向けのロボットに限定されている。しかし、その解決も時間の問題であろう。日本が追いつくには、現場の知見を持つ人々を教師役としてロボットに教え込むことになるはず。
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